※<2018年11月3日:情報更新しました>
こんにちは。那須です。
いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は、『中学受験|子供のやる気を引き出すコーチングの上手な活用法』というテーマでお役に立つ情報をお届けしたいと思います。
突然ですが、あなたは子供の次のような勉強姿勢に頭を悩ますことはないでしょうか?
- 勉強をしない・・・
- 勉強を始めるまでに時間がかかる
- 勉強をしても集中力が持続しない
- 勉強をしてもすぐに終えてしまう
- 勉強をしても上の空でミスを頻発している
- テレビを見ながら勉強をしている
- ゲームをしながら勉強をしている
- 漫画を読みながら勉強をしている
もしも一つも該当しないということでしたら、畏れ多いのでこの後の内容はお読みいただかなくても結構です。
きっとあなたは、どれか1つ以上思い当たることがある、或いは、もしかしたら、今まさに悩んでいる真っ最中なのかもしれません。
前回の記事(中学受験|スランプからの脱出法!親の関わり方がポイント)では、子供には、親の期待に応えたいという、先天的な意識があるので、過度な期待やプレッシャーをかけるような言動は謹んだ方が良いことをご紹介しました。
それはそのとおりで間違いありません。
とは言うものの、このままの状況ではやはり心配というお気持ちもわかりますし、何らかの解決策がないものかと思われるのは至極当然のことだと理解します。
そこで、本記事ではその解決策として大変効果の出やすい、コーチングというコミュニケーション手法をご紹介したいと思います。
このコーチングという手法を子供とのコミュニケーションの際、上手く取り入れることにより、お子様のやる気を最大限引き出せるようになります。
最後までお読みいただきましたら、是非、すぐにお試しされることをお勧めいたします。
それでは、早速その手法を解説していきます。
この手法は、私が過去に何回か外部セミナーで受講し、いろいろなシーンで効果的に活用している、『コーチング』というコミュニケーションスキルを説明するものです。
このスキルを使用する目的としては、『コミュニケーションを通じて、相手のやる気を引き出し、目指す目標やゴールに到達させる手助けをおこなうこと』にあります。
このスキルを簡単にご紹介すると、次の3つに集約できます。
1.相手の話をよく聴く<傾聴スキル>
2.感じたことを相手に伝え、承認してあげる<承認スキル>
3.相手に質問していくことで、自発的な行動を促す<質問スキル>
このスキルをお子様とのコミュニケーションで上手に活用することにより、抱えている課題をクリアにし、めざしている目標やゴールに向け、子供自らがポジティブな気持ちで自発的に行動していくことができるようになるのです。
それでは、コーチングの3つのスキル(傾聴・承認・質問)を順々に説明していきます。
はじめに、『1.相手の話をよく聴く(傾聴)』について詳しく説明していきたいと思います。
<1.相手の話をよく聴く>
コーチングでの「きく」は「聴く」という漢字を使います。自然と耳に入ってくる「聞く」ではなくて、自ら相手に強い関心をもって、心から「聴く」という姿勢の意味合いがあります。
しっかりと聴くことで、相手が自分の話に関心を持って聴いてくれているという安心感と信頼感が醸成され、もっと話をしたいという状態になってくれれば、まずは狙いどおりです。
聴く姿勢・態度も大事な要素です。
しっかりと聴くことができているということは、相槌や頷きも自然とできているはずです。もしも十分でない場合には、意識しながら適度にやるのが効果的だと思います。あまり過剰にやり過ぎると、それはそれでわざとらしい印象を与えかねませんのでご注意を。
少し視点を相手側に移します。
私が“コーチングをされる立場”だったときに感心したことがあるのでご紹介します。
それは、自分の中で仕事のことでモヤモヤしていることがあり、自己解決できないため、上司に相談をしました。
上司は私にたまに質問してくる程度で、ほとんど自らしゃべりかけてきませんでしたが、私の中のモヤモヤしていることが氷解したのです。
コーチングを習った後に、その理由がわかりました。
人間は相手に話をしていくうちに、自分を客観視していくことができるようです。
つまり、
モヤモヤしているのは○○が原因だから、こうしていく方がいいのかも・・・
うん、そうしてみよう!という具合になるということです。
まとめますね。
聴くことの最大の目的は、相手に安心感を与え、信頼関係を築きあげることです。
そのためには、相手が安心して話をできるような雰囲気作りがとても大事です。
中学受験の日常に当てはめると、親が子供の話を最後までしっかりと聴くことなんですね。
親が途中で話を挟みたくなることがあるかもしれませんし、子供が意見をまとめきれずに沈黙になることもあるかもしれません。
でも、焦らずに最後までよく聴くことで、子供は安心して話ができ、親への信頼度が増し、結果、好循環に繋がるというわけなんです。
続いて、2つ目ののスキル『2.相手を認める、承認する』について詳しく説明していきたいと思います。
<2.相手を認める、承認する>
「承認」とは、相手の存在を肯定的に認めることです。
これにより、人は自分の存在が認められていることへの安心感が生まれ、やる気が出たり、自信をつけたり、自己肯定することができるようになります。
とても大事なプロセスだと思っています。
ちなみに、逆のことをイメージしてみてください。相当凹むと思います。
自分の存在を「拒否」される、「無視」され空気のように扱われていたとしたら。。
承認行為の種類として、すぐに思い浮かぶのは「褒める」ことだと思います。他にも次のようなものが承認行為に該当します。
- 叱る
- 自分の気持ちを相手に伝える
- 事実を伝える
よく、「怒る」と「叱る」とを混同してしまうことが多いのですが、両者の違いを一言で表すと、「負の感情」か「正の感情」かです。
「叱る」とは、相手の成長を願っての気持ちがベースにある行為です。
次に、伝え方ですが、次の3つの中から、あなた(家事で大忙しのお母さん)が言われて嬉しい言葉を順番に心に留めてみてください。
1.ママは本当に頑張っているよね!
2.ママの頑張っている姿に、僕は負けずに頑張らなきゃって思うよ!
3.ママの頑張っている姿に、僕だけでなくパパも負けずに頑張らなきゃって言ってたよ!
こんなこと滅多に聞かないから、現実的ではないよ~!なんて思わないでくださいね(笑)
すべて褒めるという表現に違いはないのですが、この質問技法で意図していることは、主語が誰かにより、言われる人の受け止め方に違いが出てくることなんです。
それぞれの主語を見てみると、1は「ママ」、2は「僕」、3は「僕とパパ」ですね。
もちろん、1でも嬉しいとは思いますが、相手の気持ち、感情がメッセージに含まれていると、より嬉しい気持ちになったりしませんか!?
更に、一人よりも複数人からの言葉であれば、より重みが増しますので、嬉しさも倍増するはずです。
家庭内でのパパの威厳にもよりますが(汗)、例えば職場でも部下が何かの成果をあげたときに、自分だけの言葉だけでなく、部長もよくやったと褒めていたよ!
と一言付け加えるだけで、部下の喜びが全然違ってきます。そうすると、ますますやる気になって、仕事を頑張ってくれたりします。
1点だけ、留意しておきたいのは、信頼関係ができあがっていない相手に対し、承認行為を多用し過ぎると、斜に構えられ不信感を招くこともあり得るということです。
もちろん、本ブログでは中学受験を目指しているご家庭に向けたもので、親と子の信頼関係がある前提で書いていますので、それはさすがに杞憂かとは思いますが。。
それでは、まとめますね。
承認とは、相手の存在を肯定表現を用いて認めてあげることです。
このスキルを活用していくことで、相手にポジティブな言動が芽生えはじめてきたら、効果が出てきた良い兆しだと思ってください。
それでは、最後の『3.相手に質問をしていくことで、自発的な行動を促進する』について、詳しく説明していきたいと思います。
<3.相手に質問をしていくことで、自発的な行動を促進する>
私がコーチングのセミナーに参加し、もっとも不足していたと気づかされたものが、この「質問スキル」でした。。
今までは、部下から質問を受けたときには、いかに迅速で的確な回答をすることこそが、部下の信頼に繋がる、格好いいできる上司だというように思っていました。
見事に鼻っ面をへし折られましたね(笑)
できるマネージメント層は、部下が自ら主体的に考え、実績を積みあげていける力を身に着けられるよう、育成していくことが大事な役割なわけです。
従来のやり方だけでは、部下は十分に育たないことを知りました。
そこで、コーチングの「質問スキル」が有効手段だと気付いたわけです。
上司と部下だけに留まらず、親と子の関係においても同様に効力を発揮しますので、前置きが少し長くなりましたが、これから説明していきます。
コーチングでの質問する目的は、
『相手にポジティブに考えを深めてもらい、その考えを引き出せるようサポートをすること』にあります。
そのために意図的に質問をしていくのです。
質問の種類は、「YES/NOなどで答えられるクローズドクエスチョン」と「自由な発想で答えられるオープンクエスチョン」とがありますが、考えを深めることに重きをおくため、5W1H(※)に代表されるオープンクエスチョンを活用します。
※以前ご紹介した記事(中学受験|論理的思考力が自然と身につく簡単なトレーニング)をご参照いただければ理解が深まります。
また、質問をする際のポイントとしては、「否定表現ではなく肯定表現」と「過去視点ではなく未来視点」を持って、相手に質問することです。
たとえば、子供が公開模試の成績が芳しくなく、勉強に手がつかないとします。
その時に、点数が悪いのは勉強しないからだと、過去への否定を強めるのは、何の生産性も生み出さないどころか、感情面でのしこりばかりが残ってしまいます。
勉強に手がつかない現状から、前向きな気持ちで再び勉強を始められるよう、未来に向けて親は導いてあげたほうが良いはずです。
例えば、前回よりも「できたところ」に目を向けさせたり、或いは目標としていたスコアが例えば70点だったけど、40点だったとしたら、残りの30点を次回とれるようにするためには、どのようにしたら良いと思うのかを過去のうまくいった成功体験に目を向けさせて、そこから未来に向かって質問してあげるのも効果的です。
それでは、まとめますね。
質問とは、「相手にポジティブに考えを深めてもらい、その考えを引き出せるようサポートをすること」です。
質問方法は、「考えを深められるオープンクエスチョン」・「否定表現ではなく肯定表現」・「過去視点ではなく未来視点」が良いです。
以上3つのスキル(傾聴・承認・質問)をご紹介しました。
それでは、コーチングのスキルを活用して、ちょっとした簡単なケーススタディーをしてみたいと思います。
<<勉強をしない パターンA>>
子:「最近、勉強する気がまったく起きないなあ・・・」
母:「そうか、勉強する気が起きないんだね。何か思い当たることある?」
子:「塾の授業が難しくなってきて、宿題とか復習とかが追いつかなくて・・・」
母:「そうか、塾の授業が難しくなってきたんだね。少し前にも同じようなことがたしかあったと思うけど、どのようにしたらうまく乗り越えることができたんだっけ?」
子:「なんだっけ・・・」
子:「あっ!思い出した。塾の自習室で勉強して、分からないところを何回か先生に聞きにいったら、詳しく教えてくれて分かるようになったんだ!」
母:「そのようにして分かるようになったんだね!恥ずかしがらずに、先生に聞きにいけるなんてママはあなたを頼もしく思うよ!」
子:「今回もそうしてみようかな・・・」
母:「とても良いと思うわ!再度試しに塾の自習室に行ってみたらどう?」
子:「うん、そうしてみる!」
<<勉強をしない パターンB>>
子:「最近、勉強する気がまったく起きねえ・・・」
母:「そうか、勉強する気が起きないんだね。何か思い当たることある?」
子:「最近、外で友だちと全然遊んでないから、なんかモヤモヤしちゃってさ・・・」
母:「そうか、たしかに外でお友だちと遊んでないよね!どうしたらモヤモヤがなくなると思う?」
子:「友だちと思いっきりサッカーして遊ぶことかな!」
母:「サッカーをして遊ぶどういう気分になれるの?」
子:「ボールを思いっきり蹴ってシュートを決めたりすると気分爽快だし、相手のボールを奪うために追いかけ、走り続けるとすっげースッキリした気分になれるんだ。」
母:「身体を動かし汗を流すからスッキリするのね!?じゃあ気分転換に遊びに行ってきたら!?」
子:「えっ?いいの??」
母:「いいよ!今日、やろうとしている勉強メニューは何かしら?」
子:「昨日の塾の復習と宿題、そしてドリルをする予定だよ」
母:「そうなのね。その復習と宿題、ドリルをするために、どれぐらい時間がかかるのかな?」
子:「うーん、2時間ぐらい・・・かな・・・」
母:「そう、2時間ぐらいなのね。そうしたら、家に何時に帰ってきたらいいと思う?」
子:「18時に帰ってくる!すぐにお風呂に入ってご飯を食べたら、ドリルからやるんだ!」
母:「18時ね!分かったわ!帰ってきてからの行動スケジュールを決めるなんて、ママはあなたを素晴らしいと思うわ!」
子:「ありがとう!よーし帰ってきたらまた頑張るぞ!」
青字が、相手の話を傾聴し、承認行為をしている箇所です。
オレンジ字が、相手に質問し、相手から考えを引き出している箇所です。
緑字が、相手が自発的行動に移った箇所です。
ご覧になってみて、どのように感じられましたか?
こんなにうまいこといくものか、と最初は思われたかもしれませんね。
私もセミナーでコーチングを初めて習ったときは、正直、半信半疑だったことを覚えています。
でも、セミナーの講師からは、「「傾聴」「承認」「質問」の3点を忘れることなく、実践し続けると自分なりの型ができあがり、効果を生み出すことができる」とアドバイスをもらったため、意識して習慣化させるようにしました。
実際に試してみるとわかりますが、人の話をしっかりと聴くということが、どれだけ時間と労力を費やすかということを思い知るはずです。
その分、相手は聴いてもらっていることへの安心感と信頼感を抱くようになり、心のバリアが解けはじめ、質問に対して自身の中で考え巡らし、自発的に動くようになるのです。
最初は、子供に質問を投げかけても、「・・・」や「分からない」などで、期待どおりに会話が進まないはずです。
でも、この一連の行為を繰り返していくことにより、子供の潜在意識には、少しずつ「どうしたらいいのか?」を考える力が醸成されていくのです。
それでは、次にどの家庭にも普通に見られるであろう事例もあった方が、両者を対比できるかと思いましたので、今回はその事例を書きます。
目を伏せたくなるかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ(*^.^*)
- 勉強をしない
- 勉強を開始するまでに時間がかかる
- 勉強をしても集中力が持続しない
- 勉強をしてもすぐに終えてしまう
- 勉強をしても上の空でミスが頻発している
- テレビを見ながら勉強をしている
- ゲームをしながら勉強をしている
- 漫画を読みながら勉強をしている
<<勉強をしない パターンA>>
子:「最近、勉強する気がまったく起きないなあ・・・」
母:「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!!」
子:「だって、塾の授業が難しくなってきてさ・・・復習や」
(子供の話を最後まで聴かず・・)
母:「なおさら一生懸命に勉強しなきゃダメじゃない!前回の公開模試も散々だったじゃない!!」
子:「でも・・・(やっぱりママに言わなきゃ良かった(`ε´)・・・おまけに前回の成績まで言うなんて・・・(`×´))」
母:「このままだとまた悪い成績をとることになるわよ!今度の公開模試で絶対に良い点とらないと絶対にダメだからね!!」
子:「(最悪)・・・」
母:「ほら!さっさと早く勉強しなさい!!!」
<<勉強を開始するまでに時間がかかる パターンB>>
母:「ダラダラして勉強を始めるのがいつも遅いよね。」
子:「うるさいなあ・・・もう少しでやるよ。。」
母:「毎回同じことを言わせて!近所の○○くんなんて、帰宅後何も言われなくてもすぐに勉強しているんだってよ!少しはあんたも見習いなさいよ!!」
子:「(勝手にひとりで言ってるだけじゃん(`ε´)。おまけに○○のことを言うなんて最悪・・)わかった。やればいいんでしょ・・・」
母:「言われなくても自分でやるようにしなさいよ!!」
子:「やろうとしているときに、そういうことを言われると本当やる気なくなるよ(`Δ´)」
母:「言い訳しないで、さっさと机に向かって早く勉強しなさい!!!」
いかがでしたでしょうか??
文字に起こすとリアリティがあると思いませんか!?
実は、前回のコーチングを活用したパターンを書くよりも、こちらを書く方がパパパッとタイピングできちゃいましたよ(汗)
まさか、いくらなんだってそこまで酷いことはないわよ!という声が聞こえてきそうな気もします。
別に揶揄しているつもりは毛頭ございませんのでご容赦くださいませ。
前回と今回との事例を比べてみて、顕著な違いは次のような点です。(※左側が前回、右側が今回)
- 双方向の会話 ⇔ 片方向の会話
- 相手を承認 ⇔ 相手を否認
- 考えを引き出す ⇔ 指示命令する
- 肯定的な表現 ⇔ 否定的な表現
- 未来にフォーカス ⇔ 過去にフォーカス
一方、両者に共通していることが実は一点だけあるのです。
それは、志望校に合格する夢や目標に向かっていることです。
これに異論を唱える人は、おそらくいないのではないかと思います。
この夢や目標を実現する人は、紛れもなく子供本人なわけす。
そうなると、周りの人は、子供が自信と希望を持って、一歩一歩前進していけるように、未来に向けサポートすることが最も大切なことだと思うのです。
逆に言えば、自信を失い希望も持てずに、前進するどころか停止してしまう、もしもそのようなことがあったら、夢や目標を叶えることは不可能であると私は思います。
最後に、
今は亡き、あるプロ野球の名コーチの格言でひどく感銘を受けたものがありますのでご紹介します。もしかしたらあなたもご存じかもしれませんね!?
『大きな耳』、『小さな口』、『優しい目』
できる限りの経験則に基づき、なるべく分かりやすく説明してきたつもりではありますが、至らぬ点も多々あったことと思います。
ほんの少しでも、お役に立てれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました!
それでは、頑張っていきましょう!!
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